「ピエリ守山」は復活できるのか

「ピエリ守山」は復活できるのか





“生ける廃虚”ピエリ守山が営業再開へ 今度こそ定着できるか?
THE PAGE 9月25日(木)14時50分配信


インターネット上などで“生ける廃虚”などと話題になっていた琵琶湖岸のショッピングモール「ピエリ守山」(滋賀県守山市)。再生を手がけている不動産会社「サムティ」が、今年12月中旬にリニューアルオープンすることを明らかにしました。主要テナントとして世界的アパレルメーカーのH&Mなどが入居するほか、アウトドアの体験型施設も併設する予定で、復活を目指します。周辺住民や商業関係者からは「今度こそ定着してほしい」という声が上がる一方、「ピエリ単独では厳しい。周辺の一体的な開発が進まなければまたダメなのでは」と期待と不安が渦巻いています。

人気外資系ファッションなどが出店

「ピエリがあるとないでは周辺の活気が違う。今回こそ期待したい。でも守山側は施設がなかなか根付かない場所なんですよね」
9月下旬。ピエリを訪れると駐車場の整地などで重機が動き、工事関係とみられる車両も約30台が並ぶなど、リスタートに向けた動きが感じられました。また、地元で数十年生活しているという男性飲食関係者に話を伺うと、期待感をにじませながらも冷静に話してくれました。

「ピエリ」は犬のテーマパーク「びわ湖わんわん王国」の跡地を利用し2008年に開業しました。当時、県内最大の商業施設として約200店舗でスタートしましたが、景気の悪化に加え、周辺に大型商業施設が次々と参入。競争が激化する中で次第に店舗数が大幅減少し、今年2月初旬の時点でわずか4店舗が営業するのみとなり、「廃墟」と揶揄されていたのです。当初運営していた事業者はピエリを売却しましたが、その後も混乱が続き、ようやく2013年秋に「サムティ」などがショッピングセンターとして再生することを表明。2月末に全面閉鎖して改装に着手しており、開業内容が注目されていました。

発表によると、店舗面積は約5万5000平方メートル、店舗数は約150店、駐車場の収容台数は約3000台。主要テナントとしてH&Mのほか、ZARA、Bershka、Stradivarius、GAP、OLD・NAVYなど有名外資ファストファッションの入居が公表されています。H&Mなどは滋賀県初出店。こうしたファッション店のほか、地元の飲食店なども誘致し、「ヤングファミリーを中心とした幅広い層」(サムティ)をターゲットにしたい考えです。ピエリ再オープンについて地元の守山市は「周辺にはまだ遊休地も多い。再開を機に周辺の一体的な活用を検討する声も上がってくるのではないか」(政策調整部)と話しています。



続々できる大型商業施設との競争に

その反面、「ピエリに隣接する琵琶湖大橋の無料化や料金補助といった政策がなければ、対岸の堅田側からの来客は見込めないのではないか」(飲食関係者)といった指摘も出ています。琵琶湖大橋守山市大津市堅田地区を結ぶ1964年に開通した有料道路。一日3万台以上が通行しているといわれ、往復すると料金は400円かかります。

すでに橋西側の堅田地域には大型スーパーや道の駅、複数の飲食店舗が立ち並んでおり、同橋の料金負担が軽減されなければ堅田側、引いては大津市京都市方面から対岸のピエリにわざわざ来てくれないというのです。同橋の料金徴収期限にはまだ7年あり、料金半減や県外ナンバー車の無料化などの声がある一方、老朽化に備えた維持管理のために無料化の時期をさらに先送りすべきという意見もあり、議論が分かれそうです。

また、守山側に住む40歳代の地元女性商店主は「琵琶湖岸は守山の市街地から少し離れていて気軽に買い物に行くというイメージがもてない印象があった。有名ファッションブランドだけでなく、これが食べたいという飲食店があるとかピエリのほかにも面白い施設ができてこなければ、今回もリピートして行くかは疑問」と話します。

地元の商業関係者も「守山市街からピエリまでを結ぶ幹線道路もややさびしい印象で、連動して開発が求められる。ここ数年、滋賀県内だけでなく京都も含め大型商業施設が次々できており、さらに外資系大型スーパー進出のうわさも聞く。ピエリに限らずどの商業施設も特徴がなければ生き残りは大変」と厳しい表情を見せます。

知名度は全国クラスになったともいえる「ピエリ守山」だけに、さらに攻めの一手を打ち出して復活できるか今後も注目を集めそうです。



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