注目記事: 円ドル相場で、阿鼻叫喚の地獄に落ちた人の叫びが聞こえる(Darkness)

注目記事: 円ドル相場で、阿鼻叫喚の地獄に落ちた人の叫びが聞こえる(Darkness)





円ドル相場で、阿鼻叫喚の地獄に落ちた人の叫びが聞こえる(Darkness)
http://www.asyura2.com/14/hasan90/msg/480.html
http://www.bllackz.com/2014/09/blog-post_18.html
2014年9月18日 Darkness - ダークネス


2014年9月18日、円相場が108円台に入っており、6年ぶりの円安・ドル高水準となった。相場が大きく動いたとき、勝者と敗者がくっきりと二分化される。

この為替の動きで日本企業も個人も貿易を通して影響を受けるが、この動きに対して、過激かつ直接的に影響されるのは、FXで金を賭けている人たちである。

日本ではFX(外国為替証拠金取引)という「投資」という仮面をかぶった丁半バクチ・ゲームが流行っている。

ショート(円高・ドル安)に賭けた人は、ここ数日の為替の動きで、財産を吹き飛ばして阿鼻叫喚の地獄に落ちている。

何しろ、先月まで102円をうろうろしていたドル円相場が、8月10日あたりからロケットでも発射したかのような軌跡で一気に上に向いて駆け上がり、まさに一気呵成に108円にまで到達しているのだ。

FXは、少額で最大の効果を得るためにレバレッジをかけて取引するのが普通だ。レバレッジは人によって違うが、数倍から数十倍をかけることができる。


■「レバレッジ=借金」となぜ言わないのだろうか


リーマン・ショックで世界経済を大混乱させたのはサブプライムローン問題だが、その大混乱を増長させたのは金融機関がかけていたレバレッジにある。

レバレッジとは、「テコの原理」であると多くの書籍で得意げに説明されているが、なぜもっと直接的で分かりやすく説明しないのだろうか。

レバレッジ=借金」となぜ言わないのだろうか。

「保証金にレバレッジをかける」というのは、要するに「頭金で借金する」ということである。「100万円の保証金に25倍のレバレッジ」とは、「100万円を頭金にして2500万円を借りる」と言っているだけだ。

100万円をかけて為替が上でも下でもいいが、1円動いたら、25倍のレバレッジをかけている人は25万円の変動が来るということになる。

勝てばあっという間に25万円が転がり込むが、負けるときは一瞬にして25円が吹っ飛ぶ。2円動けば50万円が吹っ飛ぶ。3円動けば75万円吹っ飛ぶ。

100万円が保証金なので、100万円以上損するとそれは借金になるのだが、FXでは80%以上、保証金が消えると強制的に取引が清算される。これをロスカットと言う。

25倍のレバレッジをかけていた人は、3円見込み違いがあっただけで、資金の80%を失って退場になる。

今回、円ドル相場は、102円から108円に一気に動いたのだから値幅は6円である。ショート(円高・ドル安)に賭けた人は、レバレッジが12倍の人も、ほぼ財産の80%が吹き飛んでいると見てもいい。


■少しの変動でいきなり財産が吹き飛んでいく


FXで調子に乗ってレバレッジをかけていると、見込み違いが起きたとき、少しの変動でいきなり財産が吹き飛んでいくことになる。

一瞬で大儲けできる仕組みというのは、一瞬で大損失を被るという仕組みでもある。相場が逆流すると、ギャンブラーは何年もかけて働いた原資をあっという間に失う。

レバレッジが低くても、判断が間違ったら、毎日毎日、財産が目の前で毟り取られるのを見つめることになるのだから、多くの人がそこに至る前に恐怖で損失を確定する。

損しているのであれば、さっさと逃げればいいのではないかと普通の人は思うが、逃げれば損が確定してしまう。もしかしたら相場は反転するかもしれないので、耐えれば元に戻るかもしれない。

この、「もしかしたら反転するかもしれない」という一縷の望みが、泥沼に足を引きずり込まれる悪夢になる。

逆に少しでも得すると、もっと上がるかもしれないが、やはり相場が反転して儲けが絵に描いた餅のように消えるかもしれないので、長く持てずにすぐに儲けを確定してしまう。

だから、相場を張る人の多くは、利益が少なく損失が大きいというパターンにはまり込むのである。

結局のところ、FXというのは、為替の上げ下げをネタにした「丁半バクチ」なのであり、高尚なことをしているようで、大して高尚なことをしているわけではない。

種銭を持ってきて借金をして丁半バクチをしている博打打ちが、現代風な装いになっているだけに過ぎず、こんなところに出入りしている人がまともなのかと言われれば疑問が残る。

もちろん、この鉄火場で生き残り、巨額の金を手に入れる賭神(ゴッド・ギャンブラー)もいる。宝くじに当たる人が必ずいるのと同じで、成功者は必ず存在する。しかし、バクチはバクチでしかないのも事実だ。


■相場師は投資家ではない。それは、投機家だ


相場を張る人を「投資家」と勘違いする人も多いが、相場師は投資家ではない。金融市場の上げ下げに着目して「波に乗る人」なのだから、それは投資行為ではない。投機家だ。

本来の投資とは何か。それは、「企業の地に足がついた成長に長期に渡って投資する」というものがそうだ。

(1)企業活動が正常であると利益を生み出す。
(2)その利益は成長を生み出す。
(3)その成長に投資する。

それが本来の投資の姿であって、単にチャートの上げ下げに反応して動き回るのは投資家ではなく相場師の姿だ。

利上げがどうした、FRBがどうした、相場(テクニカル)がどうした、と景気の枝葉末節に過ぎないものを、さも重要なデータであるかのように語って、「チャンスは今だ」と短期の売買の射幸心を煽り立てる。

当たる人もいるかもしれないが、自分が当たるかどうかは別問題だ。むしろ、大多数が敗退していく。それがギャンブルなのである。そんなものが国を覆うようになったら、その国の行く末は目に見えている。

常識的に考えて、ギャンブルに狂っているような人や国に、安定した将来、しっかりした基盤が残せるはずがない。

ギャンブル社会というのは、一部の人間だけが莫大な現金をすくい上げて、残りはまとめて貧困に突き落とすような歪んだ社会を作り出す。

しかし、なぜこんなものが流行するのか。

それは、普通に生活しても豊かさを享受することができない貧困層が存在するからである。だから、宝くじや、FX(外国為替証拠金取引)や、株式相場の信用取引のようなものに一縷の望みを賭ける。


■格差が際立ってくると、ギャンブルが流行する


貧富の差が開けば開くほど、そのような投機が盛んになっていく。投機に手を出して没落する資産家の話はよく聞くが、実際はそれよりも何も持たない人間がわずかな金を握りしめて投機に狂う姿の方が多い。

FXも貯金もほとんどないサラリーマンや、無職のニートが熱くなっていることが多いという。金持ちになれるかもしれないわずかな勝率に人生を賭けるのである。

しかし、投機で勝てる人は1%以下なのだから、結局99%は勝負に負けてさらに貧困に堕ちて行ってしまう。

最初は理性を持って参加しているつもりでも、結局は上げ下げに反応するゲームなので、波に飲まれて大半が破綻する。何度も言うが、勝てない人がいないわけではない。しかし、99%は負ける。

社会が二極分化して格差が際立ってくると、貧困層の世界では必ずギャンブルが流行する。

金に飢えている人間であればあるほど、よりギャンブルが魅力的に見える傾向がある。それで一発逆転ができると夢見ることができるからだろう。手軽な現実逃避のひとつとも言える。

しかし、投機は人生を救ってくれることはないから、ほとんどの人々が見果てぬ夢だけを見て資金を吹き飛ばしていく。

豊かな国が沈んでいく過程で、このような一か八かのギャンブルが蔓延して、結局は傷をより深いものにしてしまう。

ギャンブルは一度のめり込むと麻薬と同じで、より強い刺激、より高額の掛け金、より多くの取引にエスカレートしていく。

このような人間が社会に一定数いてもまったく問題ない。しかし、そんな人間が増加すればするほど、社会はより不安定化していくことになる。